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君は幼馴染み-14
(こんな大和知らない)
小さい頃からずっと一緒にいた。
いつも余裕があって、冷静で、ドジなおれのことリードしてくれた。
だけど。
(……こんなに余裕のない大和、初めてだぁ……)
幸太は自分の両膝を掴む大和の手にぎこちなく触れた。
小さい頃からずっと自分より大きな手を上からぎゅっと握った。
「……ごめん、来ていーよ……」
つい先ほどまでぎゃんぎゃん喚いていた幸太は、上目遣いにか細い声で大和に言う。
「……ちゃんと本番シよう、大和……?」
髪の先から雫を滴らせていた大和は俄かに目を見張らせた。
「……無理してないか? 痛くないか?」
「ん、大丈夫……大和のおっきいの、ダイレクトに感じてビビっただけ……」
「……」
「ちょっと怖いけど、うん、でも……おれも大和とちゃんとシたい……」
「……」
両膝をぐっと掴み直されて幸太は「あ」と微かな声を洩らす。
入り口付近で留まっていた熱塊が肉厚に逆らってナカへじわじわ侵入してくると、大和の手に爪を立て、小さく呻吟した。
「ンんん……っ」
「大丈夫か……?」
「んっ……だいじょう、ぶ……」
「……俺は大丈夫じゃない」
ぬるぬるしたペニスの硬さを腹底で痛感していた幸太はパチパチ瞬きする。
ずぷ……ずぷ……っ、浅い抜き挿しが始まった。
まだ全て挿入していない段階で緩やかに動き出した大和は、身を捩じらせる幸太を見下ろし、彼もまた本音を告げる。
「幸太のこと、一番奥まで気持ちよくするとか言っておきながら……俺自身が気持ちよくて堪らない……」
目一杯、押し拡げられた内壁。
狭い後孔内を擦り上げられた。
「あ……っ」
逞しいペニスがソコを掠めて幸太は甘い声を洩らす。
「ああ……幸太はココがイイんだったな……?」
「んっ……ソコぉ……変になる……」
「ん……」
「あっ……ゃぁっ……あっ……あっ……あっ……」
「幸太も……気持ちいいか……?」
緩々と腰を揺らす大和に問われて幸太は素直にコクコク頷いた。
「……よかった……」
まだ眉間に僅かに皺を寄せながらも大和は口元に笑みを浮かべた。
目の当たりにした幸太もまた切なそうに顔を歪める。
いつどんなときも自分を気遣ってくれる幼馴染みに胸の奥がぎゅうっと締めつけられた。
「大和ぉ」
目尻に涙を溜め、甘えたなこどもみたいに幼馴染みの名前を呼べば、大和は食い入るように幸太を見つめてきた。
「んっ」
緩やかな律動とは真逆の勢いでキスされた。
一瞬で獰猛と化した唇に捕らわれて幸太の胸はぎゅうぎゅうぎゅうぎゅう締めつけられた。
「ッ……幸太……可愛い……小さい頃からずっと好きなんだ……」
貪るようなキスの合間に言葉でもとことん甘やかされる。
額にくっついていた前髪を掻き上げられ、そのまま頭を撫でられて、鼻先や頬にも短く口づけられた。
「気持ちいい……こんなの知らない……」
夢見ていた時間に酔い痴れた大和はいつにもまして幸太を愛おしむ。
熱烈な溺愛っぷりに幸太は幸太で限界寸前で、優しいながらも激しく、自分への愛情を剥き出しにした幼馴染みに「胸ぎゅっ」が止まらなくなった。
「そんなに……気持ちいい……?」
「うん。すごく……」
「大和ぉ……えろぃぃ……」
「幸太が俺をえろくさせてるんだろ……? 俺がえろいのは幸太のせい……」
視線を繋げたまま浅く律動する大和の欲深げな眼差しに中てられて。
幸太の理性は前にもまして崩れかかる。
「えろぃ大和見てたら……おれまで気持ちよくなってきたぁ……」
胸の奥はぎゅうぎゅう締めつけられ、お腹の底はキュンキュン高鳴りっぱなし、居ても立ってもいられなくなって広い肩にしがみついた。
「幸太……俺にめちゃくちゃにされたい……?」
「っ……されたぃぃ……してぇ……大和……」
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