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ツイン出張は蜜月flavor/部下×家庭持ち上司

「もしもし? うん、俺。さっき夕食食べて今ホテル戻ったとこ。え? 屋台でラーメン食べた、醤油とんこつ。まぁまぁだったかな。うん? 菰田の分、奢ってやったかって? そりゃー気前のいい上司ですから。なぁ、乃愛は? 起きてる? え、もう寝ちゃった? 明日芋ほり? へぇ、そんなのあるんだ……あ、はいはい、コッチ限定のストラップね、駅で買ってくる。明日、夕飯までには帰ってくるから。うそ、酢豚作ってくれんの? あ、うん、伝えとく。じゃあ昼抜いて帰ろうかな。あはは。うん。じゃあ。ありがとう。おやすみ」 ベッドに腹這いになって話していた永崎(ながさき)(34)が通話を終えると。 上司である彼の背中に覆いかぶさっていた菰田(こもだ)(28)はずっと閉じていた目を開いた。 九州南部の官公庁で新規システム導入の委託業者が公募され、永崎と菰田が勤務している情報サービス企業が一次選考を通過した。 二次選考のため二泊三日の出張に赴いた二人。 本日プレゼンテーションが終了し、明日の午前中は別のクライアント先へ挨拶と共に営業に伺い、帰路につく予定だった。 「菰田、芋ほりってしたことあるか?」 ツインルームのベッドの一つ。 ドア付近の明かりだけが点けられてベッド周囲は薄明るい。 表通りに面したシティホテル。 夜九時過ぎ、外ではまだ喧騒が行き交っていた。 「皺になりますから」 寝そべったままでいる永崎のスーツを菰田は脱がしてやった。 自分はすでに上着を脱いでハンガーにかけており、その横に引っ掛け、軽くパンパンと叩く。 振り返れば。 「こっちも」 ベッドに腰かけた永崎。 嫌味にならない程度に整った顔立ちで、過剰に男前・美形というわけではない。 合コンで一番もてそうなタイプといったところか。 笑うと目元に笑い皺ができる。 話しかけやすい空気を持っていて、実際、このご時世でよく道を尋ねられるそうだ。 菰田がそばに跪けば永崎は大きく両足を開いた。 何の迷いもなく菰田は膝を進める。 「いつも奥さんに脱がしてもらってるんですか」 筋張った手をバックルに伸ばしてカチャカチャとベルトを外している部下を上司は見下ろした。 「こんなことさせてやるの、お前だけ」

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