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ウチはペット禁止です/彼氏×飼い主←ペットの触手

安孫子(あびこ)は恋人の間宮(まみや)のことが何よりも大切だ。 自分は三十路、間宮は二十七歳、そろそろパートナー同士としてちゃんと同棲したいなんて考えている。 ただ一つ厄介なのは。 間宮が飼っているペットだ。 「あん、セバスチャン……今日も元気ですね……」 間宮は自宅マンションのベッド下で触手を飼っている。 セミダブルベッドの下から何本ものうねうねとした触手が這い出で、飼い主の白い裸体に集っている。 安孫子は恋人と触手の戯れを毎回見せつけられるのだ。 「安孫子さん、ちょっと待っていてくださいね……?」 間宮にそう言われると苦々しい顔で安孫子は頷くほかない。 触手は一本一本が軟体動物のようにぬるりとしている。 吸盤をなくした蛸の足、みたいだ。 尖りを帯びた先端が間宮の美しい肌をぬるぬる汚していく。 「ん……」 触手が二本、間宮の紅梅色の唇を割って口腔へ侵入した。 サイズ感は丁度……ペニスといったところか。 ねちょねちょくちゅくちゅ、糸引くような音を立て、唇を行き来する。 喉奥までは至らずに口腔を頻りに掻き回しているようだ。 フェラチオそのものである。 しなやかなペニスにぐるりと巻きつく触手もいた。 ぐちゅぐちゅしごきながら、カリ首を先端でにゅるにゅる刺激し、鈴口を舐るように擦っている。 「ん……ん……」 ああ、間宮、お前俺を相手にするより気持ちよさそうにしていないか? 快感で思わず浮かせた下半身、その隙を狙ってきゅっと締まる尻穴にも触手が。 ぷちゅりと突き刺さる。 「んっ」 ピストン触手に間宮の肢体がさも気持ちよさそうに揺れる。 性感帯を一斉同時に巧みに刺激されて、忽ち発熱したようだ。 ああくそ、今日こそ我慢の限界だ。 安孫子は着ていた服を速やかに脱ぎ捨てた。 そして飼い主とペットが交歓中のベッドへ……。 「……っ安孫子さん?」 口腔に入っていた二本の触手をずるっと引き抜くと、間宮は、切れ長な双眸を見張らせた。 「あの、後少しで……終わりますから……」 しどけなく解れていた表情がどこか緊張を孕む。 俺よりペットに気を許してるってことか。 まぁ、付き合いの長さに関しちゃあ確かに負けてはいるが。 だけど相手は触手だぞ、くそ。 「待てない」 安孫子は粘液に塗れていた唇に口づけた。 普段、交歓に満足した触手がベッド下で眠りにつくと、間宮はシャワーを浴び、そして安孫子に抱かれる。 ペットの粘液が残る身に触れられるのを嫌がった。 間宮が嫌がることはしたくないが。 うん、やっぱり、我慢の限界だ。 「ふぁ……あ、びこ……さん……っ」 粘着く唇を我が唾液で浄化するように激しくキスする。 強めに乳首を摘まみ、ぎゅっと捻り上げる。 「んや、ぁ……っ」 間宮は掠れた声を上げて安孫子にしがみついた。

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