2 / 16

第2話

 手が唾液で十分に濡れるとようやく満足したのか明の口が離れ、その真っ赤な舌は、朔の首筋に移動した。 ゾワッと鳥肌が立つ。 「ぁ、や…っ」 長年をかけて性感帯に仕上がったソコは、ただ舐められているだけだというのに、確実に朔の体温を上げていく。冷えていた指先が、すぐに熱くなった。 「くく…、弱ぇなぁ」 「っふ、ン」 楽しそうに喉を鳴らしながら、まるで注射をする前の消毒のように、同じ場所を丁寧に、丁寧に舐め上げられる。その間に、次の衝撃を期待して神経が鋭敏になり、朔の中心がジーパンの中でパンパンに膨れ上がった。  明も朔の熱を、密着した腹から感じたのか再び楽しそうに喉を鳴らした。そして、一瞬、舌が離れたかと思うと、鋭い痛みと共に全身に強烈な痺れが走った。 「っぃあ、アァアーーっ!!」 ビクビクと痙攣し、朔は下着の中に射精した。 「ふっ…おまへは、すぐイッちゃうな」 首元で明が言う。その唇の隙間から、ツゥ … と一筋の液体が流れる。 鮮やかな赤。 ――― 朔の血だった。

ともだちにシェアしよう!