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第66話
午前中の授業が終わり昼食の時間になるとなぜか梓は千紘のそばまできて一緒に食べようと言い出した。断る理由もなかったので一緒に連れだって食堂で食べることにした。食堂に行くとすでに人であふれかえっていてほとんどの席がうまっていた。千紘と梓はハンバーグの定食を選びトレーを手に席を探していると、
「千紘、ここ空いてるぞ。」
隆也が手を振りながら呼んでいた。梓を連れて二人で隆也のもとに行って隣の空いている席へとついた。
「珍しいなお前が友達と一緒に食堂にくるなんて。」
「そうだね。」
「名前なんていうの?」
「陣野 梓、高梨くんと一緒のクラス。」
そう言ってにっこりと笑う。くりくりの黒目に黒い柔らかい髪、愛らしい笑顔。千紘のとなりに座りにこにことしながら食事を始めた。急になにがあったのだろうと思ったがにこにこと無邪気に笑う笑顔に問い詰めることもできずずるずると一緒にいることが多くなってきた。
午後の授業も終わり千紘は寮に戻ろうと教室から出た所で梓に呼び止められた。
「高梨君、一緒に寮まで帰ろう。」
そう言って自分の鞄を持ち千紘のそばまでかけてくる。そして寮まで一緒に歩いていた。
校舎を出て寮までの遊歩道を歩いていると横から稲葉先輩と神津先輩が歩いてきた。
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