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第50話

*   義理の姉妹さんになる人を見て、咲良と久し振りに何か話して帰ってきた。   ジュンタの所に戻る前に家に寄った。   靴が脱ぎ散らかっている。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・何故?。 「・・・・・誰か・・・居る・・・・・んですか・・・・・・」   ゆっくりと、家に上がる。強盗か、泥棒か。 「・・・・・・・・誰・・・・かっ」   玄関を上がってすぐ右側にある部屋。リビング。 「・・・・・・・・」   病院に居るはずの、ジュンタの姿。近寄って屈んだ。   白いパジャマに、大きく赤い斑点。嫌な予感。視界が滲んだ。   滅多刺しにされている。 「ジュンタ・・・・・?」   何が起こった?この赤は何? 「ジュンタ」   冷えた身体。なんで? 「ジュ・・・・・・」   伸ばされた手。頬に触れた。薄っすらと開いた瞳。焦点は合わない。気配と声で分かるだけで、俺が見えていないのだろう。口は少し開いて震えたと思ったら閉じられる。鼻血を流していた。口元にも、赤。鼻血?違う。吐血の痕。   ジュンタの近くには、ナイフ。 「・・・・・・嘘・・・・・でしょ・・・・?」   伸ばされたアイツの手はまだ                 あたたかかった。 「ねぇ。ジュンタ」   返事なんか、ない。   安らかな笑顔が、苦痛に変わる前に。   動かない隼汰を見つめる。平静を装っても、膨らんでいく憎悪。 「君がやったんだね、青空君」   すぐ横のキッチンの冷蔵庫に凭れて座る少年に、俺は言った。   答えるように。   応えるように。   ドサっと倒れた少年の首は既に赤く、床には赤い海ができあがっていた。 ** 「咲良さん、メール・・・・来てましたよ・・・・」 「・・・・・あぁ、すまない」     『生まれ変わった時、また双子で居て下さい。      そうしたら、別の人生で、また 会いたいです。       俺等も、双子として、生まれたかった。        妹を ありがとうございました      海森 寛貴』 「・・・・・ゴメンな」  携帯電話を握り締めた。 END.

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