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第104話

「ご、ご注文はお決まりですかニャン?」 「ふはっ、茜くんがニャンだって、笑える」 「人違いです…ニャン」 俺の渾身の作り笑い、たぶん出来てないだろう。絶対引きつってる。 「名札に茜って書いてるのに?ふふっ、待って、ツボった」 名札を付けていることを完全に忘れていた。 クソ、先生のヤツめ!俺がニャンと言う度に笑いやがって! ツボった、とか言って肩をプルプル震わせて笑いを堪えているのがまた腹立つ。 「ご注文どうぞ!」 「俺は、にゃんこカレー」 「ふ、ふっ…俺は、このにゃんこオムライス。 文字って書いて貰えますか?」 「ご希望でしたら書かせて頂きますニャン」 「ふふ、じゃあそれで」 注文を聞き終え、早足で厨房に戻り高田さんにオーダーを伝える。 仕事だし!そんなに笑わなくてもいいのに! さて、オムライスになんて書いてやろうか。 『おぼえてろ』とでも書いてやろうか?さっき俺を笑った罰だ。 しかし店長に見つかったらアウトな為止めておいた。

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