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第105話
「2番テーブル、上がりました」
「2番行きます」
出来上がった料理を持って、2番テーブルへ足を運ぶ。
「お待たせ致しましたニャン! にゃんこカレーとにゃんこオムライスになりますニャン!」
「ありがとう」
「書いて欲しい文字とかありますかニャン?」
「おまかせします」
先生すごく楽しそうだなぁ…
おまかせか。
おまかせなら、無難にハート型とか書くようになっているけど…
変なこと書いてもなぁ…と思い結局ハート型を書くことにした。
ケチャップを持って、適当にハート型を書く。ありゃ、今日のハート型は失敗だな。形がすごく不格好だ。
「失敗しちゃった。いつもは上手く書けるんだけどな」
「十分だよ」
下手くそなハートなのに、先生は嬉しそうだった。
「ねぇ、茜くん何時に上がるの?」
「1時だよ。あと1時間後」
「じゃあ待ってるからさ、一緒に帰ろうよ」
「わかった!」
所詮俺は単純だ。さっきまで笑われて腹立ってたのに、今は一緒に帰ろうと誘われてとても嬉しい。
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