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第47話
「実を言うと、ファンなんです」
「えぇ?!」
先生がひーくんのファン?!初耳だ! この人のどこがいいのか全然理解できない。 顔はいいが、いいのは顔だけだぞ。
開いた口が塞がらない。
俺のそんな姿を見て先生はクスッと笑った。
「姉が、ファンなんですよ」
「あ、姉…… 姉か……。先生お姉さん居たんだ」
「うん、鬼みたいな姉がね」
鬼みたいな姉って、相当怖いんだろうか。
俺は一人っ子だったし、ひーくんが兄になっても中々実感が湧かない。 いきなり連れてこられた人が「今日からこの人がお兄さんです」なんて言われても。
「お姉さんにサイン書いとく?」
「あ、お願いします。 たぶん会ったこと言ったらシバかれると思うので、それでご機嫌取りします」
先生とひーくんが話している間に、頼まれた荷物を探しに行く。
そんなに分かりずらいところに置いてないと思うんだけどな…… リビングの机の上に置いてると思って来てみたけどないな。
ふとソファにダンボールが置かれているのが見えた。 これかな?
住所は家宛だけど、誰も荷物なんて頼んでないだろうしたぶんこれがひーくんの荷物だ。
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