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第48話

持ち上げるとそれほど重くはなかった。 忘れないように玄関に置いとこう。 荷物を運び終わって、部屋に戻ると二人ともまだ話をしていた。 なんの話をしているのだろう。 「絶対この子ですって」 「いや、この子だね」 聞き耳を立てると、中からそんな会話が聞こえてきた。本当に何の話をしているんだ。 この子ってどの子だ? 「ひーくん、荷物玄関に置いといたから」 「サンキュー! な、あーちゃんどの子がいい?」 「茜くんは黒髪ロングでしょ?」 「あー!!!!!!」 少し目を離した隙に前に持っていたエロ雑誌を引っ張り出して二人で見ていた。返すの忘れてた…… あの日見て以来、ベッドの下に押し込んだのを思い出した。 それを二人で眺めて、誰がいいとか、この子がいいとか言っている。 「何見てんの?!」 「ベッドの下に落としてたよ」 「隠してたんだよ!!」 本当、マジで最悪だ。

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