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第49話
「まだ持ってたんだ?誰か気になる子いたの?」
先生がクスクス笑って聞きに来る。目が笑っていない、怖い……
これはお仕置きコースだな、と覚悟を決めた。
「友達にイタズラで鞄に入れられてただけだから!俺のじゃないし!」
「そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに」
「はよ帰れ」
広げていたエロ雑誌を取り上げて、鞄にしまう。
ちょうど、グラビアモデルが殆ど面積のない水着を来てM字開脚しているページだった。 よくもまあそんなに平然と見れたものだ。呆れを通り越して関心する。
たぶん真紘がイタズラで入れたのだろう。 明日には返すぞ。
「やばい、もうこんな時間か。 拗ねてるかも」
「誰か待たせてるの?」
よいしょ、と腰を上げて立ち上がる。お見送りしようと一緒に玄関まで付いていく。先生も付いてきた。
荷物を持って、靴を履く。
「可愛いネコ、拗ねてるかもしれないから急いで帰らないと」
「そうなんだ。 じゃあね」
ガチャン、と玄関のドアが閉まったのを確認してから思った。
「ひーくんって猫アレルギーじゃなかったけ?」
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