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第53話

このゲーム機は画面を2分割して対戦できるようになっている。 対戦やってみたかったんだ。いつも1人だから楽しくなくてあまり遊んでいなかったし。 「ちょっとだけやった事ある。ユッキーと対戦したんだけどボコボコにやられたね」 「あぁ…… それはそれは……」 「あいつゲームしてる時だけ人格変わるからな」 先生の友達のユッキーこと、島田 雪斗(しまだ ゆきと)さんは専らのゲーマーだ。 普段は温厚で優しくてふわふわしているのに、ゲームになると人が変わる。 二重人格なのかと思うくらいに。 俺の友達の真紘もゲーマーで、雪斗さんと会って以来意気投合してよくゲームしている。 昨日は「ゲーセン荒らしてくる」とか言って学校終わったら光の速さで出て行った。 「普通にゲームするだけだと面白くないから、勝負しない?負けたら勝った人の言う事何でも聞くの」 「いいよ!絶対負かす!」 そう提案したのは先生。面白そうなので乗った。 もし俺が勝ったら、どうしよう。 言う事何でも聞くって、本当になんでも聞いてくれるのかな? そうこう考えているうちに、レース開始のカウントダウンが始まった。 3…… 2…… 1…… START!!

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