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第59話
時刻は1時。次は何しようかと考えていると、電話が鳴った。俺のスマホだ。
真紘からだった。珍しいな、俺から電話する事はあっても真紘からは滅多に掛かってこない。
「どうしたの?」
『あ、あのさ、数学の課題の範囲どこからだっけ?』
「たしか30~35までだよ。課題やるんだ、珍しい」
『まぁな。雪斗さんと会うから次いでに教えてもらおうと思って』
「なるほど」
ありがと、じゃあな。と言って切られた。 真紘も雪斗さんと会うのか。あの二人仲良いよな~。
真紘も雪斗さんといる時は生き生きしてるし、よっぽど楽しいのだろう。
「真紘も雪斗さんと会うんだって」
「へぇ、仲良いね」
そう言えば、俺はまだ先生の事をあまり知らない。
プライベートの事をガンガン聞きすぎても嫌だろうし……と思っていたから聞けなかったのだ。
でも知りたい。
「俺、先生の事何も知らない……」
「俺も茜くんの事あまり知らないかも」
まだお互いの事を何も知らなかった。約1年は一緒に居るからある程度の事は分かっているつもりだったが、そうでもなかったらしい。
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