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第58話

「まだまだ子どもだねぇ……」 「なにそれ」 意味深なことを言ってから、いただきます。と手を合わせて肉じゃがを食べている。 俺もそれに続いて肉じゃがを食べる。 いつも思うが、本当に美味しい。 自画自賛なのは分かっているが、俺が作る肉じゃがは絶品だと思う。 「すっごい美味しい! これどこに売ってるの?」 「いや俺が作ったから」 俺が作ったの信じてなかったんかい!と心の中でツッコミを入れる。 お惣菜になって欲しい、と言いながらひたすら肉じゃがを食べている先生。 そう言えば、先生は料理とかしないんだろうか。 なんでもソツなくこなす先生の事だから、料理も凝ったの作りそうだよな。 「先生は普段料理しないの?」 「俺……料理苦手で。 包丁持つことすら許されなかったよ。 実家でも、学校の調理実習の時も、火事起こしそうになるし…… 料理だけは本当にダメ」 「へ、へぇ~」 そこまで危ないか。 怖いな、先生に料理はさせないでおこう。一緒にお料理とか楽しそうだと思ったけど止めておこう。俺はまだ生きたい。 そんな話をしつつ、食べ進める。 お味噌汁の味付けも完璧だし、今日の料理は大満足だ。 完食して、食器を流しに持っていくと「洗い物は俺がするよ」と先生が洗い物をしてくれた。 そんな会話をして、なんだか同棲してるみたいで嬉しかった。

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