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第68話
帰ってくると、3時前だった。
2時間ぐらい外出していたのか…… なんだかあっという間だった。
買ってきた食材を冷蔵庫の中に入れて、代わりに先生が買ってきてくれたケーキの箱を取り出す。
おやつに丁度いい時間だ。
箱を開けると、綺麗に細工されたケーキが出てきた。
な、なんだこれは……!?可愛すぎる!!!
カップケーキなのだが、それはネコやイヌ、ヒヨノといった可愛らしい動物の形をしていた。
こんなの……食べられない!!
「か、かわいい……!」
「可愛いよね。茜くん好きそうだと思って買ってきた」
「大好き。食べられない、家宝にする……」
「腐るからね、食べてね」
こんなに可愛いのに食べて罰が当たらないのか心配だ。
いや、元々食べるために作られたんだから、食べないといけないのだが…… 可愛すぎるのがいけないんだ!
「かわいい……」
「何回同じこと言うの、食べられないなら俺が食べさせてあげようか?」
「え、本当に食べるの?」
「本当に食べないつもりだったの?」
先生がネコのカップケーキを俺の口元に持ってきた。
ネコと目が合う。可愛い。
……これは心の準備が必要だ。
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