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第67話

「あの……」 「ん?」 言うぞ!と決心して、深呼吸をする。 「先生……今日、泊まって行きませんか……」 やっぱり無理だよ!知らなくていい事もあるんだ、と言い聞かせた。 先生はクスクス笑っている。 「ふふっ、いいの?泊まっていっても」 「うん…… どうせ今日も一人だし……。たまには誰かと一緒に居たい」 今日も母は帰ってこない。仕事が忙しいらしい。 忙しいのに毎日欠かさずLIMEをくれる。放って置きっぱなしの俺を心配しているのだろう。 マメだな~、なんて思っているが実は嬉しかったりする。 でもやっぱり、ほぼ毎日一人は寂しい。 「じゃあ、お言葉に甘えて 」 「やった! 着替えはひーくんのがあったよ」 「じゃあコンビニで下着買って行こう」 コンビニに寄って、次いでに夕飯の材料を買いにスーパーにも寄った。 本当はずっと一人で寂しかったから、今夜は先生が居るんだって思うとすごく嬉しくなる。

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