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第66話

頭の中でぐるぐると考えていると、チュ、と触れるだけのキスをされた。 思考が停止し、何が起きたのか理解するまで時間がかかった。 「なっ、ここ外だよ?!」 「大丈夫、橋の下だし。人はあまり通らないよ」 上の広い道じゃなくて、下の細い道を歩いていた所だ。 ちょうど人通りの少ない橋の下に居た。 よかった、見られてたらどうしようかと思った。 「なんでキスしたんだよ」 「だって、色っぽい目で見つめるからキスしてほしいのかと」 「違うし!」 なんでそうなるんだ。 確かにどうしようか迷って、先生の顔を見つめていたかも知れないけれど……! キスして欲しいなんて思ってなかったから! ……実はちょっとだけ思ってたけど…… 「じゃあ何?何が言いたいこと、あるんでしょ?」 「うっ……」 そんな直球に言われても、まだ心の準備が……。

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