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《須藤birthday SS 9》
正直、こんなことをしている時間はない。朝食を作って、一緒に食べて出勤する。
これでは朝食を作っている時間がなくなってしまう。しかし佑月の頭の中は、もう快感を追うことに夢中になってしまっていた。
「はぁはぁ……」
お互いが達し、須藤のモノが佑月の太腿から抜けていく。
佑月は呼吸を整えながら、そっと須藤を盗み見した。いつも隙がなく、感情を表に出さない男が唯一無防備となる瞬間。
まだセットされてない髪だが、今の行為で少し乱れた髪。ホッと満足そうな吐息がこぼれる唇。厚く逞しい胸が上下する。
全てが艶かしく、男の色気がたまらない。
須藤は終われば直ぐに冷めたり、煙草を吸ったりなどはしない。後戯を必ず満足するまでする。その余韻があるため、情事の後の須藤を見ることが、佑月の密かな楽しみになっている。
もちろん獣のように、激しく求めてくる須藤も好きだが。
「仁……」
「ん?」
佑月が呼ぶと、須藤は身体を寄せ、唇に軽いキスを落とす。
「プレゼント……どこ行った?」
佑月が起き上がるのを、須藤が手伝う。そのお陰で軽く上半身を起こせた佑月は、ベッドに視線を走らせた。
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