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お仕置きはパーティーの後で−完−
「───わかった!雪光、わかったから!」
肩をグイと掴んで押し離す。
「ニャー?」
いやいやいや、だから可愛くないからな、それ。
「もう喋っていいから、普通にしろ!」
「…………」
「……雪光?」
「……なんだ、もういいのか。つまらん」
どうやらこの巨大猫は、意外とこの状況を楽しんでいたらしい。
「つまらなくていいから、もう普通にしよ?」
拗ねた口調のこいつを宥めるのは案外簡単なもので、瞳を見つめて、僕から唇にちゅってすれば、ブツブツと文句を言いながらも………………うっ、でも、これ……
「ぅ…、ふっ、…ぅ~~……ブフッ」
一生懸命我慢はしたのだけれど、やっぱり堪え切れずに噴き出してしまった。
いつも眉間に切れ込みがデフォルトな青山雪光の、白ニャンコ姿とか……ぶふっ!
せめて、黒ネコ。…いや、黒イヌ。
いや、でももしかして、セットの下着を合わせたら……?
「ぶはっ!」
似合うわけ無いじゃん!
このデカい男に、可愛いエロ下着。
上は服の上から、下はジッパーの開いた上から覗くアレに引っ掛けて。
余りのシュールさに一人笑い転げていると……
「………風吹…」
その爽やかな字面がよもやそうなろうとは想像つかないほどの、地の底の、もっと下から這い上がるような怒れる声が……僕の、名前を…………
「───ヒィッ?!」
酔いが醒めた。一気に醒めた。
僕の、普段は通常成人男性サイズのモノが、本人の怯えを感じ取ったかのように可哀想な程こじんまりと縮み上がった。
ワンピースの中、更に自前のパンツの中だから気付かれてはいないとは思うけれど。
「どうやら君は、もっとグレードの高いお仕置きをご所望らしい」
「ヒッ、ちっ、ちがっ…」
「明日は1日、部屋で私と2人きり……だったな」
ま…マズイ!やり過ぎた!
これは、もしかして、もしかしなくても、
乾く隙なく潰されるお仕置きコース───!!!
「覚悟あっての行動だろうから、手加減は無しだ」
ヒョイと立ち上がった雪光の肩に軽々と担がれる。
ベッドか?風呂か?
どっちにしろ、未来は気絶しても許してもらえない生き地獄!いや、イキ地獄!!ってコレ上手い事言っちゃってるんじゃないの、僕?
ってのがただの現実逃避だってことは、重々承知で……ああっ、こんちくしょうっ!!この絶倫がッ!!!
「わーんっ、ごめんなさいーーっ!!」
バリバリと壁を震わせる大音量の謝罪の声は、隣の部屋に聞こえているのかいないのか。
もし聞こえていたなら、今すぐに!
助けに来て下さい!詩子ちゃ~~~ん!!!
−お仕置きはパーティーの後で 完−
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本編とは異なり、始終イチャつきっぱなしの2人でしたが、如何でしたでしょうか?
|゚ω゚`)): ビクビク
本当に、探偵要素は一切合切封印してしまいました。
このみさんから頂いたリクエストは、
1.風吹にいぬ耳を付けてエッチを。
2.何で自分だけ!と怒った風吹が、雪光にねこ耳を装着。
3.余りの似合わなさに大笑い。
4.からの、雪光に散々お仕置きをされてしまう。
と言う内容でした。
R-18ではなくR-15程度で書いた青山探偵。お仕置き三昧…には程遠いものになってしまいたが、作中書かれていないこの後のエピソード。
皆様にお好きなお仕置きを妄想して頂けたらなぁ…(*´ `*).。o()と思います。
ちなみに、風吹のお口でご奉仕されても出しとどまっていた雪光。
あれはきっと、必死に出ないよう我慢していたのだと思います。
出さなければその分だけ長く口でしてもらえるから頑張ろう!と、健気な努力です。
その証拠に、うるりと睨み上げられた瞬間に、思わずググンと反応してしまいました。
風吹が下手くそだからではない、と言うことを彼の名誉の為に追記しておきます。(でもきっと上手くもない。そこがまた、雪光的には可愛くてそそるのだと思います。(๑´ㅂ`๑)エヘ♡*.+゜)
【青山探偵のお気に入り】は本編、番外編すべて出し尽くしました。
これにて完全完結です。
本当に最後の最後までありがとうございました。
風吹、雪光、その他登場人物たちを見守っていただけたこと、本当に大感謝です!
また、別作品でもお会い出来ましたら…(*´ω`人)♡
2018-08-14(Tue) ★真宮寺うさぎ★
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