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第25話

渋澤の手が笹本の濡れた性器をゆるゆると扱く。 渋澤の反対の手は、いつの間にかピンと張って敏感になった笹本の乳首を捏ねたり掻いたりしていた。 笹本は初めての場面、初めての感覚に戸惑い、どうすることが正解なのか自分の取るべき行動が解らず、只々身悶えた。 「は、はぁっ……ほんっと、やめっ……っやっ、だめって……」 行為を拒否する言葉を発してはいるが、言ってることと体の反応が伴っていない。 「本当にダメ?こんなになってるのに?笹本さん、マジで俺のタイプ。めちゃくちゃ大切にします。俺と付き合って」 渋澤の声音もいつの間にか甘くイヤらしい音に変わり、耳元で囁かれるように喋られると、ぞくぞくと悪寒とは違う感覚が体を駆け巡った。 ─嘘、嘘だ。僕は渋澤なんか好きじゃない。大切にする?嘘だろっ……! 「やっ、やだぁっ……」 「頑固だな。他に好きな人でもいるんですか?」 そう聞きながら渋澤の手は更に大胆に笹本自身を扱き愛撫する。 普段から自分でもあまり弄らないそこを、そんなにされたら、すぐにでもイってしまいそうだった。 ここで他に好きな人かいるって言えば解放してくれるのか? 射精の瞬間を渋澤に見られるなんて死ぬほど嫌だと思った。 嫌だ嫌だと思っても、身体は渋澤の手練手管に翻弄され、射精へ向けて上り詰める。 「あっ、あっ、も、やだっ……っ、しぶさわっ、放してっ、いっちゃうっ」 「ダメ。好きな人いるの、いないの?ちゃんと教えて、ほら」 「ひゃんっ、痛いっ、やだ、も、やだぁっ」 ほら、と言いながら渋澤が笹本の乳首をぎゅっとつねる。 リアルな痛みと迫り来る射精感。 ここから逃れるには、嘘でもいいから誰かの名前を言わなくては。 「あっ、み、美咲さんっ、ぼくっ、みさきさんが、気になってぇ……」

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