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第24話
「それでも普通はもっと嫌悪を露にして本気で抵抗しますからね」
「……」
まさか渋澤の経験談ではないだろうな。
「試してみます?」
「何を」
「セックス」
体がピシッと凍りつく。
誰だってまさか同僚にそんな提案されるとは思わないだろう。
これは本気で逃げなければヤバい流れではないだろうか。
笹本の脳内で警報装置が作動する。
「いや、それはごめん、無理」
「なんで?」
「なんでも何も……そういうことは好きな人とするものだから」
「だから俺の好きな人は笹本さんだって言ってるじゃないですか」
不意に左の耳朶が熱くなった。
「ふぁっ……っ」
渋澤の熱い息使いが耳の中に注ぎ込まれ、耳朶を食まれたのだとわかった。
途端にそこからじんじんと体の下へ下へと今まで感じたことのない感覚が波紋のように広がっていった。
「ねぇ笹本さん、やっぱりあんた男と恋愛できますよ。普通だったらこんなにならないからね」
「あっ、やっ、えっ、ちょっ、ちょっと待って……」
いつの間にか渋澤の手が笹本の性器をきゅっと握っている。
握り込まれたそこは硬くなり、更なる刺激に期待しているかのようにぴくん、ぴくんと震えている。
「待てないです。こんな先っぽぬるぬるにして」
「う、うそっ、そんな……やだっ、そんなさわり方……ぁっ」
渋澤の手が滑る笹本の先端を指の腹でくるくると撫で回す。
思わず呼吸が乱れ、腰が引ける。
腰を引くと同時に渋澤の屹立したそこが笹本の尻の間に挟まって、前も後ろも挟み撃ちにされたかのようだ。
「すっげぇ可愛い。ねぇ、俺と付き合ってくださいよ」
「やっ、いやっ、無理~ぃっ、あっもう……っ、しごかな、いでっ」
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