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第23話
「笹本さんハイペースでビールやら焼酎やらチャンポンして、歓送迎会終わる頃には酔いつぶれてずっと俺に凭れ掛かってたんですよ」
それは渋澤がずっと隣に座っていたから横に倒れれば凭れ掛かりもするだろう。
「……で?」
「笹本さんのこと送ってあげようかと思ったんですけど、俺笹本さんち知らないし、取り敢えずタクシーで俺んちまで運んで」
「それは悪かったな。けどどうしてこんな……」
笹本が布団をぺろっと捲り中を覗き見る。
やはり何度見ても全裸であることに変わりない。
「スーツシワになるし脱ぎましょうかって俺が言ったら、笹本さん頷いて全部脱ぎ捨てたんです」
「え、僕自ら?」
「そう。その後おしっこ漏れる~って言うんでトイレを手伝って……」
「えっ、トイレを!?」
「具体的に説明すると笹本さんびっくりすると思うんで割愛します」
「……」
トイレをどう手伝わせたのか聞くのが非常に怖い。
「その後はよろよろしてた笹本さんをベッドに寝かしたんですけど、俺も全裸で横に寝てたら朝起きた時面白いかなぁって」
─おい。
「やっぱりこれはお前のイタズラか」
笹本はハーッと溜め息を吐いた。
しかし自分にも大いに非はあるし、泥酔したことで多大な迷惑をかけたことも確かだ。
「まぁ半分はイタズラですけど、さっきの告白は嘘じゃないんで考えてもらえません?」
「……これは夢じゃないのか」
「そうですね、現実です。でも笹本さんさ、マジで嫌なら本気で暴れて逃げ出さない?男同士で裸で密着してるんですよ。わかってます?」
「そっ、それは、お前ががっちり僕を押さえてるからだろ!」
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