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第1話

(あきら)くんが好きなんだ。付き合って...くれないかな?」 吹奏楽部の副部長の先輩。少し色素が薄い髪が太陽の光を浴びてキラキラ輝く。 特別目立つわけでもないけど、与えられた仕事以上の働きをする、ユーフォニアム担当の2年の(かける)先輩だ。 僕より背が低くて、可愛らしいには可愛いけど校内で噂になるような程でもない。 僕が黙っていると先輩は困ったように一重の目を細めて眉を下げた。 「ごめん...びっくりしたよね...。俺、男なのに.....。ごめん、晶くん.....」 悲しそうに視線を足元へやり、自分の両の手をギュッと握りしめて涙を堪えようとしている。 そんなんじゃない。僕は困っているわけじゃない。嬉しいのだ。 僕はずっと先輩が好きだった。 入学してからずっと僕の指導に当たってくれた先輩。大好きな先輩に告白されてこんな嬉しいことは無い。 でも今速攻で答えてしまって先輩は不安にならないのだろうか。 僕が適当に返事したと思われたくない。 「先輩.....」 「う、.....ひくっ」 「先輩!?」 堪えきれなくなったのか先輩の瞳からは大粒の涙が溢れる。 「ご、ごめっ俺.....」 「先輩、そんな擦っちゃダメです。赤くなる」 「俺っ...ごめんっ...」 「先輩、何がごめんなんです。僕も先輩が好きです」 強く目を擦る先輩の腕を掴んでそういった。 「.....えっ」

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