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1-勘違いも程々に

息子である数也(かずや)が何を考えているのかさっぱりわからない。 父親の由紀生(ゆきお)はずっと悩んでいる。 性格の不一致により数也の母親と離婚してから男手一つで一人息子を育ててきた。 その結果。 髪はパツキンに染める、顎にヒゲ生やす、喫煙、じゃらじゃらしたものを身につける、耳に穴開ける、学校さぼる等々。 わかりやすい反抗期が目下続いている。 数也は十八歳、高校三年生のはずが、まだ友達百人つくる気満々でいるのか一年生のままだ。 「……おかえり、カズ君」 今日も零時寸前に帰ってきた数也に、残業を終えて自分もたった今帰宅したばかりの由紀生は玄関まで出迎えて声をかける。 いつもの如くスルー。 ああ、だけど今日こそは伝えなければ。 「ま、待って、カズ君!」 無視して自室に入ろうとする数也を引き止めようと、由紀生は、相変わらずチェーンをじゃらじゃらぶら下げる数也の制服の裾を掴んだ。 数也は無言で振り返った。 その眼差しは相変わらず冷たい。 由紀生の胸はずきんと痛んだ。 しかし掠れそうになる声を懸命に振り絞った。 「……カズ君に会ってもらいたい人がいるんだ」 「ああ……うそ……っ、なんで、こんな……!!」 到底四十路には見えない、まだ二十代にも見て取れそうな由紀生は息子の部屋で喘いでいた。 ワイシャツにネクタイをしたまま、スラックスと下着は脱がされて下肢にはネイビーのソックスだけ。 すぐ背後で真っ裸の数也が腰を振っていた。 不良息子のナニは外見若父親のアソコにオラオラと言わんばかりに出入りしていた。 正しく近親相姦の真っ最中だった。

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