気を取り直して選んでいると、遠くで見たことのある後ろ姿が。 金髪で背が高いから一際目立つ。 「姫くん、あれ成宮さんじゃない？」 「え？あ！ほんや！ゆーくーん！！」 姫くんが叫ぶと成宮さんは気づいたらしく、小走りで近づいてきた。いつもアリスといる時のイライラした顔ではなく、恋人といる時の優しい顔。 隣にいる人が違うだけでこんなにも表情が違うんだよなぁ... きっと僕もそうなのだろう。 「ゆーくんどないしたん？仕事は？クビになったん？」 「クビになってない。今日は早く終われたから一緒に帰ろうと思って迎えにきた」 「ラブラブですね。姫くんといる時の成宮さんは別人なんじゃないかと錯覚するほどです」 「失礼な奴だな。そう言うチビちゃんも迎えが来てるぞ。今ブランドの方見に行ってるからまた来ると思うけど」 アリスも迎えに来てくれているらしい。 一緒に帰れるのか、嬉しいなぁ...。