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第122話

「つか、なに?クッキー作る気?」 「そうやで!ゆーくんにも食べさせたるからな!」 成宮さんは渋い顔で僕をみる。 言葉にしなくても分かる、「やめとけ」と訴えかけている。 「チビちゃん、コイツはとんでもない不器用さんだ。迷惑になると思う」 「まぁ、大丈夫ですよ」 「どうしても作りたいなら俺も一緒に作る。これが絶対条件だ」 そこまで止めるとは...そんなに不器用なのか? 僕も器用とまでは言えないけど... 考えていると、姫くんが成宮さんの背中をバシバシ叩いて 「もー、一緒に作りたいんやったら素直に言ってよー!ゆーくんは照れ屋さんやなぁ!」 「ん、まぁそういう事にしといてくれ」 たぶんそういう事じゃないと思うけど、まぁいいだろう。 成宮さんも少し嬉しそうな顔してるし。

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