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第144話
「絶対無理でしょ!4人も座れないって!」
「じゃあこうしよう」
無理やり入ってこようとするアリスに講義の声を上げると、ヒョイと身体を持ち上げられ宙に浮いたかと思えば、アリスの膝に座らされる。
膝に座るとか恥ずかしくて降ろせとジタバタもがいても、ニッコリ笑顔で僕のお腹に手を回してギュッと抱きしめられるから、もう抵抗はできない。
姫くんの方をみると、同じように膝に座っていた。だけど僕とは違って嬉しそうにしている。
姫くんは素直だ。
僕は...少し、ほんの少し...素直じゃないかもしれない...
でも、素直になったらアリスが調子乗っていろいろしてきそうだから今は止めておく。
また今度、ね。
「おぉ、クッキーの匂いする!見に行ってもええ?」
「火傷したら危ないから俺と一緒にな」
「やったー!」
嬉しそうにソファから降りてキッチンに向かう姫くんと、それを微笑ましい笑顔で見る成宮さん。
素敵なカップルだと思った。
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