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第189話

2人で観覧車に乗り込み、係のお兄さんに見送られながら地上を離れた。 ゆっくりと上がっていく観覧車。 辺りはもう薄暗くなっていて、少し怖かった。 「白雪」 隣に座っているアリスの腕にしがみつきながら外の景色を見ていると、不意に名前を呼ばれ振り返る。 目の前にはいつもと違う、真剣な顔つきのアリス。 「アリス...?」 「温泉での勝負覚えてる? なんでも言う事聞くってやつ」 「う、ん。 覚えてるよ」 それがどうかしたのだろうか。 言う事聞くって言っても、僕はアリスの言う事は聞いているつもりだし現状的にはあまり変わらないと思うけど。 ...は、まさか、別れようとか言われるのでは...?! アリスはモテるし、僕みたいな男よりも可愛い女の子を見つけて、け、結婚する、とか... 可能性は無くはない... 「俺と...」 ごくり。と息を呑んだ。 『別れよう』そう言われても、僕は受け入れようと思った。 アリスは僕の全てで、アリスに幸せになって欲しい。 アリスの幸せは、僕の幸せ。 どんな事を言われても受け入れる、これが僕の答え。 「俺と、これからも一緒にいてください!と言うか、白雪の人生を俺に下さい!」 「え...」 顔を真っ赤にして、プロポーズとも取れるセリフを言ったアリス。 一方僕は、予想していた事とかなり違っていて戸惑っていた。 「答え...聞かせて、白雪」 「え、と...喜んで!」

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