195 / 267
第196話
慎太郎さんの顔は赤くて、口調も舌ったらず。
明らかに酔っている。
どうしたらいいのか分からず、あわあわとしていると、また慎太郎さんは泣き出した。
泣き上戸だ…!
「うわぁん!たっくんが居ない! たっくん…」
「たっくん…?拓真さん?! 」
「スマホ…たっくんにお電話するのっ!」
泣きながら、さっき切ったスマホの電源を入れて拓真さんに電話をかけ始めた。
酔っ払うとすごく面倒くさい人だ…
あいにく僕は酔っ払いの対処の仕方を知らない。
だから拓真さん、どうか助けてほしい。
『シン!なんで電話出ないの!またぶっ倒れてるんじゃないかって心配したんだぞ!』
「たっく〜ん…俺のこと好きぃ?」
『げ、酔ってるし……好だよ。 だから今どこにいるか教えて? 酒癖悪いんだから迷惑になるでしょ?』
「うぅ…たっくんに会いたい〜…」
また泣き出した慎太郎さん。 電話の向こう側にいる拓真さんのため息が聞こえた。
というか、やっぱり慎太郎さんって酒癖悪いんだ…
このままじゃラチがあかない。
ともだちにシェアしよう!