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第204話

次に目が覚めたのは、見知らぬ部屋だった。 だけど内装からしてわかる。 たぶんここはラブホだろう。 大きなベッド、天井には鏡、ガラス張りのお風呂。ラブホ以外の場所が思いつかない。 あの男の姿が見当たらない。逃げるなら今のうちだな。 ベッドから起き上がった時に、異変に気づいた。 なんだこれ……。 足に鎖が付いていた。ベッドの足に括りつけられていて、これじゃ逃げられない。 「やぁ、気分はどう?」 「……誰ですか。 なんで僕をこんな所に連れてきたんですか」 僕の質問に男は、ハハッと乾いた笑い声を上げた。 「君の事を愛しているからだよ! やっと手に入れた! 君は覚えてる?あのオークションの時のこと」 「っ!なんで、それを……」 「俺はあの日、あの場所で、出品されている君を見て一目惚れした。何としても俺のモノにしようと、探していたんだ」 なんだ、それ…… 気持ち悪い……。吐き気が酷い。

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