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第209話

笑ったかと思うと、急に怒った顔に豹変した。 「なんで……なんで俺はダメなんだよ!拒否するな!!!」 「ひっ! 痛っ!やめて!!」 腹を殴られた。 何度も、何度も。 縛られていて抵抗出来ない、耐えるしかない。 耐えて、耐えて。 容赦なく拳を振り下ろしては、荒く息を上げていた。 「う゛っ!」 「悪い子にはお仕置きだ」 腹が痛い、この尋常じゃない痛みにずっと耐えねばならないのか。そう考えると、もうしんどくなってきた。 カガワは自分のポケットから、粉薬を出して水で溶いて僕に飲ませた。 なんだこれ、ドラッグ……? だとしたら僕はもうお終いだ。 「安心しろ、ドラッグじゃない。即効性の媚薬だ」 ドラッグじゃないのか……。 安心したのも束の間、急に体が熱くなってきた。

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