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すごい!ちゃんと形になってる!マジックみたい!
「アリスすごい!小さなお城だ!」
「ふふ、白雪もやってみなよ。結構簡単だよ」
僕にも作れるのだろうか…。
アリスがやってたみたいに砂を固めて形を作る。少し歪だが、ちゃんとできた!
それからはずっと砂のお城を作ったり、貝殻を集めたりしていた。
「そろそろお昼食べよう?」
「そうだね。お腹すいたー」
テントに戻り、フーと一息つく。
暑いのに、テントの中は涼しくて快適だ。
「はい、サンドイッチ」
「わ、美味しそう。アリスが作ったの?」
「違うよ。父さんに海にも行くって言ったら用意してくれてた。世話焼きすぎだよね」
「世話焼きと言うか、アリスの事が大好きなんだね!」
そんな優しいお父さんだったら幸せだろうな。
僕のお父さんは、僕の事が嫌いだったからあまり話したこともなかったし…。
だからと言って、お父さんが欲しいかと言われるとそうじゃない。
僕にはアリスが、僕の両親の分まで幸せをくれているから、それで十分なのだ。
「白雪には、また父さんにも会ってもらわないとね。あまり会わせたくないんだけど」
「そ、そうだよね、結婚するもんね。 認めてくれなかったらどうしよう…」
「それは大丈夫だと思うんだ。あの人、フリーダムと言うか、本当は頭いいんだけどネジが数本外れているというか…」
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