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「アリス、アリス!ちゃんと持っててね!離したらダメだよ?!」
「分かってるよ」
何せ泳ぐのは初めてなのだ。浮き輪を付けているが、アリスに浮き輪を持ってもらっている。
もしアリスに手を離されて、沖に流されたら…と考えるととても怖い。 100%生きてないだろう…。サメに食べられるかも…。
「わ、魚がいる!サンゴも!」
「本当だ。綺麗だね」
「ニモがいるよ!」
「カクレクマノミね」
この前テレビで見たんだ、ニモ。
それ以来、ニモを飼いたくて仕方なかった。家の中が臭くなるからダメってアリスに拒否されたけど…。
「ニモこっち来ないかな?」
「噛まれるよ」
「嘘!?」
「うそ」
騙された!
カクレクマノミは穏和な性格だからあまり攻撃することはないって本で読んだ。
でもアリスは平然と嘘を付くので、つい騙されてしまうのだ。
「泳ぐの疲れた。もう上がらない?」
「えー」
「じゃあ、上がって砂のお城作ろう」
「いいよ!」
砂のお城?!なんだそれ!
砂でお城が作れるなんて知らなかった!アリスは作れるのかな?!
ワクワクして陸に上がった。
浜辺の湿った砂を使うと形が崩れないらしい。
簡単にアリスが作ってくれて、僕はもう感動したのだった。
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