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朝ごはんに焼きたてのクロワッサンを食べた。
アリスがお父さんに、別荘を貸して欲しいと頼んだら、食料も用意してくれたらしい。
とてもいいお父さんなんだな。
アリスからあまり家族の話は聞かないけれど、その様子だと仲がいいのだろう。
僕に気を使っているのかな…。気にしないのに。
「準備できた?」
「うん! あとは浮き輪に空気いれたら終わり!」
海に行く為に着替えて、空気の入っていないぺちゃんこの浮き輪をアリスに渡した。
空気入れで浮き輪を膨らませてもらい、いざ海へ!
いい天気で良かった。絶好の海日和だ!
「うわー!すごい綺麗!」
「本当だね。この辺にテント張ろうか」
海がキラキラしていて、透き通ってみえる。エメラルドグリーンでとても綺麗!
別荘に置いてあった小さなテントと、大きな日除けの傘を立てて、座れるようにシートも引いた。
無人島なだけあって、本当に人がいない。こんなにも綺麗なのに、僕たち二人だけだなんて何か変な感じだな。
「白雪、泳ぐ前に日焼け止め塗らないと」
「えー、塗らないとダメ?」
「ダメだよ。白雪はとくに肌が白いんだから、日焼けしたら赤くなって痛くなるから」
どうせ泳いだら日焼け止め落ちるのに、塗る必要あるのかな? と言うか、僕も男だからそんなに肌は気にしないんだけど。
だけど塗らないと泳がせてくれないので、渋々塗る事にした。
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