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第2話
その日は突然やってきた。
店長から呼び出されて今日のスケジュールを聞くのはいつもの事。
ただ、今日は予約が入っていた。
予約というのはNo.1風俗嬢にしか入らない。No.1になると、お客もその子を抱きたがる。
要するに、予約をしないとその子に相手をしてもらうのは難しいのだ。
しかし、僕はNo.1ではいない。
指名は少なくはないが、予約するほどのものではない。
念のためなのかな...?
「ユキ、しかもこの人...大手企業の若社長なんだって...たまにテレビとかに出てるだろ?失礼のないようにだけ...な?」
「は、はい...」
ソイツなら僕も知ってる。
まだ23歳なのに父から譲り受けた会社を世界レベルまで成長させて、しかもイケメンだというあの噂の若社長...
そこらの芸能人よりもカッコイイと言われていて、女性、男性共にファンも多い。もうすぐ写真集が発売されるらしい。
確か名前が『神楽坂 有栖』
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