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第5話
「お待たせしました。ユキです。どうぞこちらへ」
「うん。やっぱり君可愛いよね」
「...?ありがとうございます」
どこかで会ったような口ぶりだが...
初対面だよね...?
よくわからないが、部屋まで案内しないと。
生で見る神楽坂 有栖は、テレビで見るよりも、写真で見るよりも何十倍もかっこよかった。
たしか身長182cmだったよな...とにかく高身長で、159cmの僕は話す時見上げないといけない。
部屋に入るなり、キョロキョロと周りを見る神楽坂さん。
「思ったより広いんだね」
「そうですね。こちらVIPルームになっおります。神楽坂様は今日はどのコースで...」
「アリスって呼んで?あと、敬語もいらない」
「!?そんな、無理です!」
「お願い、ユキちゃん」
「うぅ......わかりまし...わかった......」
そんな子犬みたいに目を潤ませられると断れない...
「どんなコースがあるの?」
「えっと、2コースあって大雑把に言うと、本番あるかないか。かな」
「うーん、じゃあ本番なしで」
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