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第6話

「え、珍しいね。僕アリスになら抱かれてもよかったのになぁ」 本心半分、冗談半分でそんな事をいうとアリスはクスクス笑いながら「可愛い事いうねぇ」と言った。 正直少し残念だった。 1夜限りなんだから、抱いて欲しかった。 「また今度ね。お楽しみは後に取っておきたいから」 「僕、もう綺麗じゃないけど...それでも良ければ...」 ...... ......はっ! こんな事言っちゃダメなのに...! 思いっきり失礼なこと言っちゃった... 次のアリスの言葉が怖くて俯いていると、グイッと顎を上げられアリスと目を合わされた。 あぁ...かっこいいなぁ... 胸が熱い...ドキドキする...... 「ユキちゃんは綺麗だよ。俺はユキちゃんがいい」 「あっ...」 そう言うと、軽く触れるだけのキスをされた。 一旦離してお互いに見つめあってもう1度、今度は深く、噛み付くようなキス。荒々しいけど、優しい。 「ふっ...ぅ、あ...っ......」 角度を変える度に漏れる声。 アリスのキスは物凄く上手かった。僕も何度もキスをしているけど、ここまでクラクラするキスは初めて。 僕も必死に舌を絡めるが、頭がぼーっとしてうまくキスに応えられない。 唇を離す頃には、もうクタクタだった。

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