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第64話
そして僕に気づくと、さっきの荒々しい口調はどこへやら。
「!!白雪!!!会いたかったよ!あ~可愛い癒される~」
「キッモ...ソイツが例の『一目惚れ』の子?」
「取るなよ!絶対渡さないけど!!」
「要らねぇ。俺にもうるさい姫さんが居るんでな」
んんんんん??
状況がよく分かってないけど、今アリスに抱きつかれて頬ずりされている事は分かる。
.........え?!今までの話からだと、借金取りの人はアリスの秘書?!
......嘘だ...信じられない...
「あ、白雪。こいつ俺の秘書の成宮」
「成宮 弓弦(なりみや ゆづる)だ。よろしくなチビちゃん」
「チビとは失礼な...僕は御伽 白雪です」
あぁ...やっぱり秘書なんだ...改めて人は見かけに寄らないなぁとつくづく思う。
お互いに自己紹介すると、すぐに話は仕事の話になった。
僕ここにいたら邪魔なんじゃ...
抜け出そうとしても、身体をアリスに後ろから抱き込まれている状態なので動くこともできない。
僕を抱いている手を避けようと、力を込めてみるももっとギュッと抱きしめられた。
ダメだ...
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