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第72話

ペロッと赤い舌を出す仕草ですら色っぽい。 軽いほうの荷物を渡してくれて、空いた手で手を繋いだ。 触れた手から心臓の鼓動が伝わりそうなほど、ドキドキと胸がうるさい。 「帰ったらご飯作ってお風呂入っちゃおうね」 「うん」 「今夜は...どうしてほしい?」 ...僕が何て答えるか分かってるクセに。 わざとらしくニヤッと笑って僕にそう聞いてくるアリスは、本当に性格が悪くて、僕の扱い方をよくわかっていると思う。 「可愛がってよね...」

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