85 / 267
第85話
気がつくと、膝にアリスは居なくてソファに横になって寝ていた。ちゃんとブランケットもかけてくれていて、優しさが暖かかった。
アリスがソファの前に座って書類チェックをしていた。
そっと声を掛けてみた。聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声。
「アリス...」
「ん、起きた?ご飯どうする?」
聞こえていたみたいで、身体をこっちに向けて僕の髪を梳かしながらそう問う。
時間は夜の7時。
あまりお腹空いてないけど、軽く食べておいたほうがいいかな。
アリスはもう食べたんだろうか?
「あんまりお腹空いてない。アリスはご飯食べたの?」
「俺もまだ食べてないよ。ふふっ軽く食べようか」
何も言っていないのに、分かってくれるアリスはすごい。
僕が顔に出やすいだけなのかもしれないけど...
起きると、変な時間帯に寝たせいか少し頭が痛かった。
しばらくソファでボーッとしていると、頭痛も少し楽になってきた。
「大丈夫?食べられる?」
「んー、大丈夫」
運ばれてきたのは野菜スープだった。
これくらいなら食べられそう。
ともだちにシェアしよう!