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第85話

気がつくと、膝にアリスは居なくてソファに横になって寝ていた。ちゃんとブランケットもかけてくれていて、優しさが暖かかった。 アリスがソファの前に座って書類チェックをしていた。 そっと声を掛けてみた。聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声。 「アリス...」 「ん、起きた?ご飯どうする?」 聞こえていたみたいで、身体をこっちに向けて僕の髪を梳かしながらそう問う。 時間は夜の7時。 あまりお腹空いてないけど、軽く食べておいたほうがいいかな。 アリスはもう食べたんだろうか? 「あんまりお腹空いてない。アリスはご飯食べたの?」 「俺もまだ食べてないよ。ふふっ軽く食べようか」 何も言っていないのに、分かってくれるアリスはすごい。 僕が顔に出やすいだけなのかもしれないけど... 起きると、変な時間帯に寝たせいか少し頭が痛かった。 しばらくソファでボーッとしていると、頭痛も少し楽になってきた。 「大丈夫?食べられる?」 「んー、大丈夫」 運ばれてきたのは野菜スープだった。 これくらいなら食べられそう。

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