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願い

水中に沈む中、10年間の彼との記憶が走馬灯のようにかけ上がった 彼はいつも優しかった 僕とずっと一緒にいたいと何度も言ってくれた 僕の隣で笑って、頭を撫でて、好きだとささやいて、抱き締めてくれて 毎日が幸せだった だけども全てが偽りだった 彼は最低な男だ その最低な男によって僕の人生はめちゃくちゃになった できることなら もう一度やり直したい 溢れてくる涙も水と混じり、酸欠で薄れて行く意識の中、由は強く願った

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