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唐突 -2-

いつのまにか雨が降っていた ひたすら走った 何度も転びそうになったり道路を横切る度に車に轢かれそうになったりしたがそれでも走った 走りすぎて胸が苦しくなった だけど柾と別れる事実と比べればそんなことは比でもなかった 「由!待って!!」 後ろから柾が追いかけてきて僕の腕を掴む 柾がさっきの話は嘘だよと笑ってくれるのを願った 「ねぇ…さっきの嘘だよね、嘘だと言ってよ  いつもみたいにキスしてよ…」 「っ…由、違うんだ、話をしよう」 柾は僕と話をしようとしていたが僕は耳を貸したくなかった それほどあの話がショックだった もう柾は僕の隣に居てくれないのか触れてくれないのか そう考えただけで涙が溢れてくる ふいに僕よりもつらそうな顔をしている柾を見て怒りが込み上げてきた 「何で今まで黙ってたの?僕のこと好きだって 言ったのに!一生離さないって言ったの   に!ねぇ何で!?」 「っ!」 「信じてたのに!ずっと騙してて!騙されてる 僕を見るのは楽しかった?これから彼女と幸 せになってね」 「由!お願いだから話を聞いて!」 必死に僕の腕を掴む柾の手を振り払い、僕は彼に冷ややかに最後の言葉を放った 「…もう二度と会いたくない。さようなら」 その場に立ち尽くす柾を置いて僕はまた走った 見知らぬ河原にたどり着いた 「もう、どうでもいいや」 生きる気力さえなくなっていた そのまま川に足を入れ、流れに任せて身を投じた

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