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OVERNIGHT KISS 6 ※
焦らしながら、ゆっくりと。時折快感を促すように小さく腰を振りながら最奥に辿り着いたときには、俺はこれまで感じたことのないような快楽に包まれていた。
思わず深く息を吐くと、アスカが鼻先で艶やかに笑う。
「ねえ、気持ちいい……?」
そう囁いた唇が、余裕を見せつけるように弧を描く。
咬むように口づけて、しなやかな身体を強く抱き締しめる。下から突き上げるように揺さぶると、繋がっているところから信じられないほどの快感が全身に流れ込んできた。
危険な電流のようなそれが、次々と湧き起こっては背筋を伝い上がり、脳を甘く痺れさせる。まるでドラッグだ、と頭の片隅で思った。
「ん、ふ……っ、あァ……ッ」
濡れた唇から喘ぎ声がこぼれる。揺らめく波に攫われて、俺はアスカの身体に溺れていく。
セックスは、ただ欲を発散させるためだけにする、独り善がりの行為。そんなものとしか思っていなかった。
なのに今この瞬間、アスカの全てが欲しくて堪らない。
華奢な身体を貪るうちに、その心の中にも入りたいと思う自分がいる。
「あ、イきそう……あ、ぁッ」
アスカの中がうねりながら一層強く締まった。汗ばむ背中を抱きながら仰け反る喉元に強く吸いつくと、腕の中の身体がぶるりと大きく震える。後孔が激しい収縮を繰り返す。
その波に引き摺られて、俺もアスカの中に精を放った。
もう、事は済んだ。いつもなら、これで終わりだ。
けれど荒く息をつきながら、アスカの物欲しげな顔を見下ろした瞬間、まだなのだと悟った。
繋がり合い、呼吸をもつれさせながら二人で抱き合う。熟れた果実のような甘ったるい匂いが、いつのまにか部屋に充満していた。
細い首に花弁の形をした所有印が付いているのを確認する。
「……サキト」
ぼんやりとした瞳で俺を見つめるアスカは、儚げな美しさを纏う。
「アスカ」
繋がったまま名前を呼び、押し倒して口づける。欲を出したばかりのものは萎える隙もなく張り詰めていた。
ゆっくりと律動を再開すれば、アスカはそれに応えて眉根を寄せながら喘ぎ出す。
いつものように淡々と欲を吐き出し、終わらせればいい。始めたときはそう思っていたはずなのに、いつの間にか俺はアスカに快楽を与えることばかりを考えていた。
「あ、あ……ッ、んっ」
返ってくる反応を確かめながら、一段と大きな声を出す部分を抉るように突いていると、アスカはトロンとした瞳で俺を見上げる。
身体を前に倒してやると、必死にしがみ付いてくる。俺が放ったものでドロドロになったアスカの中は熱く、卑猥な水音を立てながら俺を融かしていく。
「あ、あ、あ……ッ」
しっとりと汗で濡れた身体を抱きしめながら、その中に刻む込むように半身を穿つ。
「アスカ、好きだ」
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