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地獄の幕開け
僕は中学時代、イジメを受けた。
それは、中学一年生の夏休み明け。まだ窓から射す日差しが眩しく、窓側の席の僕が授業に集中出来ない頃。
一年三組にはクラス行事や学年行事にまで中心に存在する、橋田 斗真という人がいた。
ある日、廊下を歩いていると。橋田君が三人の友達を連れて歩いていた。「あんまり関わりたくないな」なんて思い、廊下の端を歩き始めた。
鈍い音を立て、橋田君と肩がぶつかった。
「あっ、すいません」
僕は、頭を下げた。すると、連れの一人が言った。
「お前からぶつかっといて、何だその態度!」
ドスの利いた声でそう怒鳴られた。反射的に頭をあげると、僕の肩を強めに押した。
「えっ」
僕は確かに、廊下の端を歩いた。そして僕は見た、橋田君が表情を一つも変えず、わざと僕の方に歩いてきたところを。
「でも、橋田君が僕にぶつか……」
「貴様、俺に逆らったな。どうなるかは、分かってるだろうな」
橋田君は話を割り、僕の事を嘲笑いながら言った。そして、橋田君と連れの三人は、その場を立ち去った。
その時の僕は、何故この廊下を歩いていたんだろうと、激しく後悔をした。
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