2 / 31

日の国

昼と夜があると他国の人は言う けれど俺の住む国は24時間日は沈むことは無い 地平線に浮かぶ太陽はぐるりと高さを変えず1周する こうして日は落ちることは無かった そんな国に生まれ育った俺は夜というものに強く興味を示した 憧れといっても過言ではない なぜここまで執着して夜を見たいのかは俺にも分からない ただ、ひたすらに見てみたい、という感情だけが募る 魔導師として国の為に働く俺は中々国の外へと行く事は出来ない いつか言ってみたい,夜のある世界を目にしてみたい… そんな俺の思いは案外あっさりと叶うのだった。 それも,とても厄介な叶い方だった

ともだちにシェアしよう!