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日の国
昼と夜があると他国の人は言う
けれど俺の住む国は24時間日は沈むことは無い
地平線に浮かぶ太陽はぐるりと高さを変えず1周する
こうして日は落ちることは無かった
そんな国に生まれ育った俺は夜というものに強く興味を示した
憧れといっても過言ではない
なぜここまで執着して夜を見たいのかは俺にも分からない
ただ、ひたすらに見てみたい、という感情だけが募る
魔導師として国の為に働く俺は中々国の外へと行く事は出来ない
いつか言ってみたい,夜のある世界を目にしてみたい…
そんな俺の思いは案外あっさりと叶うのだった。
それも,とても厄介な叶い方だった
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