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禁断の書物
「ねぇ、レイラあの棚なんだけど…今日中に整理しといて貰える?」
魔導師といえど毎度毎度魔導師っぽい仕事をする訳では無い
雨が続いたり,逆に雨が降らなかったらそれを手助けしたり、
戦場に駆り出されたりする。
というか後者の方が断然多い。
「分かりました。」
俺はいつもと変わらず表情を変えずに頷いた。
同僚の彼女は「そ…」と素っ気なく返答する
俺は無表情で無愛想だから割とこういう素っ気なくされる事が多い
俺だって好きで無愛想に振る舞ってるわけじゃない
何故か上手く笑えない
昔は笑えたのに…不思議な感覚だった
「あとは…ここだけか」
相変わらず日は落ちることないが時刻は22持を過ぎたところだった
なんとか日付が変わる前に終わらせることができそうだ…
俺はそう思い棚へと手を伸ばす
ふと,そこでとある書物。発見する
__なんだこれは…?
俺は持ち前の知識欲と好奇心でそれへと手を伸ばす
書物…にしては何だか国内のものでは無い気がする
他国で取り寄せたものだろうか,
そっと本を開くと見た事の無い文字が記されている
俺は思わず首をかしげた
俺はこう見えても殆どの口の言葉は話せる方だ…
けど之はどこの国の言葉なのか、俺の知識ですら分かり得ないものだった。
俺はそのまま好奇心で読み進めていく
勿論なんと書いてるか分かるわけは無いが…
そして最後のページを捲った時…
「手形……?」
本の裏表紙には深みはあまり無いが手形に減っ込んだものがあった。
俺の好奇心はそれですら擽る
そっと手を添えればまるで俺の手形を取ったのかと思う程ピッタリとハマった
後に俺はこの書物がこの世界のものでない事、そして禁断の書物として国が厳重に取り扱っていたはずと知る
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