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第3話

次の日、待ち合わせ場所のとある駅前に、オレは立っていた。 昨日は眠れなかったし、今日も今日とてゲームにログインする気も起きず、朝から部屋を行ったり来たり。ここにも三十分前に着いてしまった。これではまるでkとのオフ会をすごく楽しみにしてるみたいだ。 ……いや、楽しみにしていない訳ではないんだけど!でも、なんというか待ち合わせの五分前になっても現れないkが少し腹立たしいというか。 オレはいらいらして、横向きに持ったスマホの画面をコツコツと人差し指の爪で弾いた。 お互い顔は知らないから、駅前に着いたら時計の下で画面を横向きにしてゲームをしてようということにしたのだ。だから、kが来たらオレに声をかけてくるはずだが……。 「すみません……シンさんですか?」 そう、こんな風に。 オレははっとして振り向いてーー固まった。相手も目をみるみると大きくさせる。 「え、遠藤……?遠藤がシンなのか?」 記憶にあるものよりも大人びた声が、オレの名を呼んだ。

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