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まだ洗っていないところ☆
リョウは本当にナオトのことを洗うのが好きだ。
洗うというかナオトのことをきれいにするのが好きだというべきだろうか。
お風呂の外でも、リョウはナオトのことを洗いたがる。
一番多いのは歯磨きだ。
子供が親に歯を磨いてもらうように、リョウの足の間に抱えられて歯を磨いてもらうのは、最初のうちこそ気恥ずかしくて抵抗していたが、歯磨きそのものというよりも後ろから抱きかかえられるのが幸せで、今ではおとなしく磨かれるようになってしまった。
あと、耳かきをしてもらうことも多い。
よくある女の子が彼氏に正座の膝枕でしてあげるような形ではなく、リョウがあぐらをかいたところに縦向きに寝転んでしてもらう。
ごく普通の竹の耳かきを使っているのだが、なぜかリョウにしてもらう耳かきはすごく気持ちよくて、ナオトは自分で耳かきをしても何だか掃除し切れてないような物足りなさを感じてしまうようになってしまった。
鼻の穴を綿棒で掃除したいと言われた時は、さすがに必死に拝み倒して、鼻うがいで妥協してもらった。
けれどもいったい何が楽しいのか、リョウはナオトが鼻うがいをしている間、終始にこにことご機嫌で、何だかかえっていたたまれない気分を味わったので、これだけはまた頼まれても絶対断ろうと心に決めている。
それから最近になって気付いたのだが、リョウがたまに目薬を差してくれるのも、本人にとってはどうやらナオトを洗う行為の一つに数えられているらしい。
何が楽しいのかナオトには全くわからないのだが、ナオトに目薬を差してくれた後は、リョウは妙に機嫌がいいから、たぶんそういうことなのだろうと思う。
そんなふうにして全身を洗ってもらっていて、もうリョウに洗われていないところなどないと、ナオト自身は思っていたのだが。
「実はまだ、一カ所だけ洗っていないところがあるんだよね」
リョウがそう言ったのでナオトは首をかしげてしまった。
「分からない?」
悪戯っぽく言ったリョウの視線を追うとナオトの股間辺りだったので、ナオトは再び首をかしげる。
ナオトの股間についているものなら、もう何度となく洗ってもらっている。
「そう、その穴の中だよ」
「……穴?」
反射的に問い返してしまったが、その瞬間ナオトはリョウが言いたいことを理解してしまった。
「無理無理無理!
こんなところ洗えないよ!」
「大丈夫、洗えるって。
ちゃんと専用の道具も売ってるし」
そう言うとリョウは、どこからともなく派手派手しいパッケージの箱を取り出した。
「それ、洗う道具じゃなくて、アダルトグッズだよね……」
「そうとも言うね」
さすがに呆れたナオトの言葉も、リョウはしれっと流してしまう。
「嫌だよ、そんなの、あんなところに入れるなんて。
痛そうだし、怖いし」
「そんなことはないけどね。
うーん、やっぱりどうしても嫌かな?
ナオトが嫌がることはしたくないから、どうしても無理っていうんなら諦めるけど」
そう言うリョウはひどく残念そうで、どことなく寂しそうでもある。
そんな顔をされてしまうと、リョウに心底惚れているナオトは弱い。
「……痛くない?」
「ローション使うし、初心者用の細いやつだから大丈夫だよ」
「……もし怖くなったら、途中でもやめてくれる?」
「もちろん」
「……じゃあ……いいよ……洗っても……」
「本当? ありがとう。
優しくするからね」
ナオトが恐る恐るではあるが承諾すると、現金なもので、リョウはぱっと笑顔になった。
「横になった方が楽だろうから、ベッドにしようか」
そう言うとリョウはナオトをうながして寝室へと向かった。
いつもみたいにキスをしながらお互いの服を脱がせ合って、リョウは下着だけ、ナオトは全裸になってベッドに上がった。
本番の前の前戯で、リョウはナオトの体を優しく触ってくれたが、ナオトはこれからされることが気になってしまって、どうにも落ち着かなかった。
「ごめん、あの……ちょっと集中出来ないから、先に洗ってもらってもいい?」
いっそ覚悟が揺らがないうちにさっさとやってもらった方がいい気がして、リョウには申し訳ないと思ったがそう言うと、リョウは体を離してナオトを見下ろしてきた。
「怖かったら、やっぱりやめとく?」
「ううん、大丈夫。
確かに怖いのは怖いんだけどさ。
ほら、初めて最後までした時も、ほんとはちょっと不安だったんだけど、実際に抱かれてみたらすごく気持ちよかったし。
だから、ちょっと怖いことでも、リョウだったら気持ちよくしてくれるって分かってるから、だから大丈夫」
自分に言い聞かせるような意味もあってそう言うと、リョウはうれしそうに微笑んでナオトの頭を撫でてくれた。
「じゃ、遠慮なくやらせてもらうね。
あ、でも勃ってないと入れられないから、口でするね」
そう言うとリョウはナオトのものを口に咥えた。
そうされると、口でされる気持ちよさをすっかり覚え込まされていることもあって、ナオトのものは不安などどこへやら、しっかりと反応してきた。
「じゃあ、中、洗ってみようか。
もし怖かったら言ってくれていいからね」
そう言うとリョウは、さっきの箱から先っぽが綿棒のようにちょっとだけふくらんだ棒を取り出して、ローションでたっぷりと濡らした。
そうしてナオトを安心させるように体を撫でながら、その棒をナオトのものの先っぽの小さな穴に押し当てると、ゆっくりと回しながら押し込んできた。
「……っ!」
「痛い?」
少し心配そうなリョウの問いかけにナオトは首を振った。
ちょっと苦しいけど、痛いというほどではない。
それに少しだけ、感じ始めたばかりのような、もどかしいような気持ちいいような微妙な感触がある。
「じゃあ、もう少し入れてみるね」
そうしてまた、ゆっくりと棒を押し込まれていくと、徐々に快感が苦しさを上回っていった。
「……あっ!」
そうしてかなり棒を入れられた時、ナオトははっきりとした快感を覚えて声を上げた。
「うん、ここだね」
「え?」
「こっちにも後ろみたいに感じるところがあるらしいんだ。
ナオトは、このあたりらしいね。
……ほら」
「ああっ……!」
ナオトが棒をきゅっと回すと、また電流のように快感が走ってナオトは声を上げた。
「いいみたいだね。
もっと洗ってあげるね」
そう言うとリョウは容赦なく棒を動かし始めた。
感じるところを棒で小刻みに擦られたり、さっきみたいに回されたり、ぴんっと軽く棒を指ではじかれたりして、ナオトはこれまで感じたことのない種類の快感に翻弄されっぱなしになる。
「も、無理。
リョウ、もう、許して」
「それは怖くて無理ってこと?
それとも気持ち良すぎて無理?」
そんなこと分かっているくせに、リョウは意地悪くそんなことを聞いてくる。
けれども快感でいっぱいいっぱいになっているナオトにはそれを意地悪だと思う余裕もなくなっている。
「気持ちいいっ……!
よすぎるから、もう、許して……イかせてっ……!」
夢中でそう叫ぶと、リョウはくすりと笑った。
「いいよ、イかせてあげる。
いっぱいイッていいからね」
そう言うとリョウは、ナオトのものを根本から擦り上げながら、棒を一気に引き抜いた。
「あああぁぁぁーーっ!」
焦らされずに一気に凄まじい快感を与えられ、ナオトはがくがくと震えながら白い蜜を吐き出した。
あまりにも感じすぎて、全部出し終わってもしばらくは体の震えが止まらない。
やがてようやく体が落ち着いてきた頃、何やら満足そうな顔つきのリョウと目が合った。
「すごかった……」
思わずそうつぶやくと、リョウはいっそう満足そうに微笑んだ。
「前を責めながら後ろに入れると、もっとすごいらしいよ?」
艶っぽい声でそう言われると思わず想像してしまい、くたくたに疲れ切っているはずなのに、また体が熱くなってきそうだ。
「ま、今日は初めてだったし、それはまた今度にしようか」
そう言うとリョウはナオトの隣に横になり、腕枕をしようとしてきた。
「え? リョウは?」
リョウの下着の前が大きくふくらんでいるのは明らかなのに、今日はもう終わりといった様子のリョウに、ナオトは戸惑う。
「ん?
俺は思う存分洗わせてもらったから、満足と言えば満足してるんだけど……。
でも、ナオトが大丈夫そうだったら、させてくれるかな?」
「ん、大丈夫だよ。
……っていうか、僕もして欲しいし……」
赤くなりながらも素直にそう言うと、リョウは嬉しそうに微笑んだ。
「じゃ、ゆっくりしようか」
そう言うとリョウは、まず手始めに優しいキスをしてくれた。
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