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古より、この世のものならざる物の怪と戦ってきた退魔師一族の小彼岸(おひがん)家。 小彼岸家には五百年に一度、奇跡の「おのこはらみ」が生まれ出でる。 男の体でありながら、より強い力を持つ世継ぎを孕むことのできる、人知を超えたる存在。 現当主である小彼岸宮比(みやび)の長男、(いち)が正に「おのこはらみ」であった。 悪しき物の怪を根絶やしにするまたとない絶好の機会、宮比が、壱の夫君に選んだのは……。 「壱兄……」 四方を障子や襖に囲まれた和室にて。 中央に敷かれた布団の上で壱は末っ子の三吾(さんご)と向かい合って座っていた。 「俺……壱兄にずっと触れてみたかったんだ」 男女問わず誰もが好印象を抱く爽やかワンコ系男子の三吾。 顔を真っ赤にして、尻尾があればブンブン振りそうな健やかなる弟に、兄はそっと笑いかける。 長男の風格がまるでない儚げな壱。 五百年に一度の賜物のため物の怪討伐には一切加わらず、屋敷の奥の間で姫のように育てられてきた。 肩までかかる長い髪はさらりとしていて。 瑞々しい唇は紅梅と同じ色。 澄んだ双眸と艶やかな肌に三吾は思わず生唾を飲み、兄の纏う浴衣に手をかけた。 「あ……ん……三吾……」 細い足をこれでもかと開かせて曝された菊穴に出入りする、よく肥えた男根。 雄膣をいっぱいに押し拡げて腫れ上がったカリ首で肉膜を執拗に擦り上げる。 常識では禁じられた兄弟姦を貪る。 「壱兄……! 壱兄……っっ!」 三男三吾の若々しいパワフル肉棒に壱はぎゅっと眉根を寄せた。 ペースも考えずがむしゃらに腰を振り、突くだけ突いてくる末っ子に余すことなく身を委ねてやる。 「すごく……きてる……三吾の……っ」 膝頭をぐっと掴んでM字開脚させ、三吾は、M字の中心に我が身が出入りする様を夢中で見下ろした。 端整な顔がしどけなく乱れる様にも、零れ出る声にも、さらに煽られた。 「ああ……っだめ、俺、もぉ……っ出る……!」 びきびきと脈動を始めた末っ子男根に壱は頷いてやる。 「うん、出して……? 三吾の子種、奥まで……奥までほしい……」 「ああっ兄さん……!!」 壱に覆いかぶさったワンコ三吾は腰だけ猛犬のように荒々しく振り立てた。 「あ……いく……!!」 「あ……っ三吾……!」 …………どくっどくっどくっ 雄膣の肉壁奥に濃厚精液汁が勢いよく注ぎ込まれる。 身の内で弾けた男根により汁だく状態と化していく。 「……はぁ……ぁ……孕んじゃ……孕んじゃう……」 「うん……っ俺の赤ちゃん産んで……っ壱兄、お願い……!」 ぎゅっと抱きついてきた末っ子の頭を壱は優しく撫でてやるのだった。 翌晩。 「あ……っん、二朗(じろう)の、すごぃ……」 「ん、兄貴の尻も悪くねぇ……っ」 壱は次男の二朗に跨らされていた。 軽薄そうな若者風情の、目つきが悪い、ピアスだらけの次男坊。 壱の柔らかな尻の肉を鷲掴みにし、揉み立てながら、真下から突き上げてくる。 「やぁ……っ奥にすごく……くる……っ」 色艶半端なき壱の喘ぎようにツンデレ二朗はきゅんきゅんしっぱなしだが。 「おら、俺ばっか動かしてねぇで兄貴も腰振れよ」と、意地悪な口調でときめき感情を誤魔化してばかりいた。 「ん……こう……?」 二朗の腹に両手を突いた壱は淫穴奥で怒張するペニスを肉壁でしごくように緩やかに動き始める。 ぬちゅぬちゅ、ぐちゅぐちゅ、先走りの蜜が卑猥な音色を奏でた。 壱自身の淫茎も艶々と濡れそぼっている。 二朗の腹にまでねっとりと糸を引いている。 「あ……いい、これ……止まらない……っ」 「……兄貴……っ」 「止められない……っ、どうしよぉ……二朗ぉ……」 ツンデレ二朗は「ツン」を放棄することにした。 仰向けにしていた身を起こし、対面となって、再び壱の尻肉を掴む。 揺さぶりをかけながら自分も発情期の獣さながらに腰を振りまくる。 「はぁぁ……ん……っ」 「兄貴……っかわいすぎる……っクソ……!」 「あっあっはげし……!」 「いっぱい……兄貴に出すから……! 俺の赤ちゃん産んでくれるよな……っ!?」 二朗は壱の両方の尻たぶに指先を深く食い込ませた。 限界まで膨張しきった太竿で雄膣を掻き回し、連続して亀頭で抉り、そして。 「あ……いくっ」 「あんっ……濃いのきてる……っ赤ちゃんできちゃぅ……っ」 互いの狭間で壱も自らをしごいて射精しつつ、肉奥まで流れ込んできた大量濃厚白濁汁に喉元をひくつかせ、一筋の唾液を下顎へと滴らせたのだった……。 その次の晩。 月明かりに白く浮かぶ障子に下肢を一つにした淫らな影が。 「この時をずっと待っていたよ、壱?」 「……お父様……」 小彼岸家現当主の宮比、普段かけている眼鏡を外し、父親には到底見えない若々しい肌と優しい微笑を夜気に添えて。 後ろから少しも速度を衰えずに息子である壱をそれは激しく挿し貫いていた。 「あっあっ……お父様のすご……ぃ……」 「たっぷり私の子種を注ぎ込んであげるから」 「あぁ……っお父様の赤ちゃん……っ孕んじゃぅの……?」 「そうなるかもしれないね」 宮比はゆっくり微笑を深めた。 反対に、さらに速度を増して、四つん這いの壱の尻をぱんぱんぱんぱん小うるさく鳴らしにかかった。 「あっあっあ……! お父様ぁ……!!」 湿り行く股の間で壱の淫茎は独りでに勃起して先走り汁を止め処なく漏らす。 「小彼岸の血と血で生まれる子はきっと気高く美しいはずだよ、壱」 怒涛の肉棒攻めに壱はとうとう布団に突っ伏した。 宮比は一切構わず、速度を緩めることもなく、細い腰だけ引き寄せてもっと奥まで打ちつけた。 「いっいっちゃぅ……もぉ……らめ……!」 淫穴を猛然と行き来する肉棒高速出し入れに限界寸前の括約筋。 全身を小刻みに痙攣させて壱は唇をきつく噛んだ。 「んんんん…………!!」 勃起した淫茎から濃密な精液汁が迸った。 ぐぐぐっと肉壁が狭まり、蠢くように収縮する淫穴が肉棒に噛みつき、そんな危うい心地に宮比は愉悦すると。 「出すよ、壱……?」 そう囁いて壱の雄膣に子種を捧げた。 我が子に着床するよう、せっかく注いだ子種が零れ落ちないよう、父はぐいぐい雄膣深部に肉棒を傲然と捩じ込んだ。 「ひぁ……これ……孕む……ぅ……ぜったぃできちゃぅ……」 びくっびくっと瀕死の草食動物の如く肢体を打ち震わせ、壱は、家族が順々に相手をする種付けの時間に体を狂わせるのだった……。 「おのこはらみ? なんだそりゃあ」 「小彼岸家の切り札だとか」 男でありながら子を孕むことができるとか。 「ふぅん。そいつぁ面白そうだな」 笑み交じりに物の怪の長がふかした煙草の煙は白い鳥となって夜空へ飛んでいった。

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