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永遠の宵闇に海原の如く広がる竹藪。 その中心に構えられた古めかしくも立派な屋敷。 突如、不穏な静寂を獣の咆哮が切り裂いた。 グルゥゥゥァァァァッッッッッ!! 四方を障子に囲まれた座敷にて火のくべられた行灯に照らされているのは。 見紛うことなき虎だ。 深みある金色の艶やかな短毛に走る漆黒の縞模様、誰もが恐れ戦く眼光。 太く長い尾がぴしゃりと虚空を打つ。 最も目を引くのはその大きさである。 テレビのアニマルドキュメンタリー番組や動物園で見るような虎の軽く二倍はありそうな――。 「あぁぁぁぁ……!!」 巨躯なる虎のすぐ真下には美しき青年がいた。 退魔師一族現当主小彼岸宮比の長男「おのこはらみ」の壱が――。 巨虎の素晴らしく膨れ上がったイチモツが壱の淫穴を犯している。 奥の奥まで、肉膜を押し開いて、それは激しく荒々しく。 壱の淫穴はまるで涎でも垂らすように、すでに注がれた子種汁を結合部から漏らし、太腿をねっとりと汚していた。 「あぁぁぁ……! いや……! 深い……っこれ深……ぃ……!!」 敷き布団にしがみつき、片頬を埋め、壱は絶叫した。 我に返ればこの淫らな宴は始まっていた。 壱は小彼岸家から攫われたのだ。 強力な結界をものともせず、退魔師一族の陣地へ我が物顔で侵入して「おのこはらみ」を掻っ攫ったのはこの巨虎自身だった。 全裸で這い蹲る壱の傍らに強靭な両前脚を突き、下半身を大きく豪快に波打たせ、雄膣の深奥に種付けを繰り返す。 荒ぶる杭が容赦なく打ち下ろされる。 「あ……っあぁぁ…………!!」 かつてない交わりに悶絶しているかのように見える壱だが。 彼が蹲る布団には巨虎のものだけではない、壱自身の精液も染み込んでいた。 ああ、信じられない。 まさか物の怪に犯されて感じてしまうなんて……。 そう。 巨虎はただの虎でなく物の怪であった。 「や……っっいやぁぁぁ!!!!」 壱の淫穴深くで何度目ともわからぬ種付けが再び完遂された。

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